・ 管理人交代にあたって

 

長く管理人を務めさえていただいきました。先生、保護者、OBの皆様、関係者の皆様にたいへ暖かく見守っていただきました。厚くお礼申しあげます。

 

私もこのようにフットボールについて筆をとることになるなんて、夢にも思わなかった。しかし、フットボールについて文字に落とし込むうちに、卒業後自分の中でももやもやしていたものが晴れてきたり、また新たな発見があり、 このような機会を与えていただいたことに感謝申し上げたい。

 

 最後の最後ですが交代にあたって、駄文、私見をお許し願いたい。

 

【アメリカンフットボールの特徴】

・スポーツは、静止状態から始まるものとそうでないものに大きく分けられる。

静止状態から始まるものは、アメフト、野球、相撲などである。そうでないものは、サッカー、ラクビーなどが主なものである。

静止状態から始まらない、常に連続動作のスポーツでは、個々の選手の瞬発力、俊敏性等が試合を優位に決めるポイントになる。動の世界のスポーツでは、選手の身体的能力で試合の趨勢が大きく決まってしまう。

 

 静止状態から始まるアメフトは、開始前にセットする位置が大変重要になる。なぜなら、人数的優位な場所を攻めるようにすることが大変重要になるからである。極論すれば野球では、誰も守っていないところに打てれば、すべてヒットである。どこを攻めるか、守るかという作戦が大変重要になる。

 

・ボールの動くスピード

ボールが100キロを超えるスピードで動くスポーツか否かも大きなポイントとなる。ボールが丸く、高速で動き続けるスポーツの場合、自分の身体をその高速のボールに如何に対処していくことが大変重要になる。そのようなスポーツの強豪校などは、一日数時間このようなボールに慣れる=職人技となるための練習を行い、いわゆる自分の身体とボールが一体化するレベルまで持っていこうとする。このようなスポーツで、ボール扱いの部分で絶対的な差がうまれると、如何に効率的に練習し、上手な作戦でも試合の趨勢を取り返すのは大変困難になる。

 

アメフトは、静止状態から始まり、連続動作を伴わない。またパスプレー以外では、高速でボールは動かない。(パスプレイでもボールが大きいので高速とまではいかない)この二つが大きな特徴である。

進学校である高槻は、練習時間の制約も多い。しかし、このような特徴故、アメフトだからこそ勝てる可能性が高いのである。

 

しかし、その反面、職人技の習得のための練習であれば、とにかく量をこなすことが必要になるだろうが、そうではないアメフトは、漫然と練習してもうまくならない。適切な指導者のもと、試行錯誤を繰り返し、チームの意図に沿って練習を重ねていくことが不可欠である。高槻は、幸いにも依藤先生(京大アメフト)、杉原先生(関学アメフト)、でそれぞれ日本一を経験された先生にご指導していたただいている。

近年の高槻の躍進、選手たちの大変高い意識レベルでの取り組みには、先生方、コーチ陣の力に負う部分が大きい。

 

しかし、スタッフも多くかかえる他の私立とは違い、2人の先生方が中学、高校の約80人の所帯を見ていただいている。練習現場でのご指導のほか、スカウティング、作戦立案、選手の怪我のフォロー、テーピング、チーム運営一切まで一人何役もこなしていただいている。

 

 これには、感謝してもしきれるものではない。ぜひ保護者の方もアメフトの特徴を含めて、このような点にご理解いただければと思う。

 

 

【最後に】

私も管理人にさせてもらって、卒業後もやもやしたものが晴れたように思えることがある。

それは、高槻OBの方、また改めてフットボールにかかわる方のお話を聞いて、気づいたことでもある。

 

創部42年目、高槻悲願の関西大会初優勝、選手には初めて見る山頂からの景色はどうだったろうか?

 

 こんなこと言うと拍子抜けかもしれないが、おそらくその景色は大して変りはなかったのではなかろうか?(勿論人によって、見え方、考えは違うので、一私見としてだが)

優勝して1週間ほどは確かに飛び上がるほどうれしいが、落ち着くとまた5年後、10年後は、違った気持ちかもしれない。周りの方からは、関西大会優勝は確かに大きな出来事として、今後も言われることもあるだろう。勝負には、相対的な要素(他のチームとの優劣)と絶対的な要素(自分との闘い)の二つがある。チームが優勝したのであって、自分がフットボール選手として一流になったわけではない。

優勝して『すごいですね』と言われても、いや逆に言われれば言われるほど、『自分は、優勝と言われるに足る努力を本当にしたきたのか?』と自問自答することもあるだろう。

 

しかし、これはなかなかつらい。どんなに強がっても、自分には嘘がつけない。そして、他人の自分に対する評価より、自分の自分に対する評価の方が大事であると思うこともあるだろう。

スポーツは1年ごとに勝敗が決し、相手も必死になって向かってくる。自分の取り組み方に否が応でも1年ごとに明確に答えを突きつけられる。

 みなそれぞれに思い、考えがあるだろう。すべて、それはそれでいいのだと思う。

 

私ごとで恐縮であるが、大学からアメフトを始めたので大変苦労した。(それ故中高からの経験値を持つみなが本当に羨ましい)自信をもって試合に臨めたといえるのは、学生最後の2試合くらい。アメフトを少し楽しめたといえるは最後の一試合のみ。

最後の試合を終えて、ある方と話す機会があった。『やっと初めて試合に自信をもって臨めるようになったら、もう終わってしまいました』という私に、『そんなものよ。一流の画家も、死ぬ間際になって初めて満足する作品が描けるそうよ』と言われた。

多分なぐさめもあったと思うが、言いえて妙だと思う。

 

 アメフト卒業後も、常に『お前はベストを尽くしているのか?もっとできるのではないか?』という自分の内なる声があることに、またそれがもやもやの原因だと、しかし、その内なる声は、自分にとって大変大事なものであるのだと、この年になって初めて気付いた。 自分を一流の画家と比べるつもりは毛頭ないが、多分満足することは、もっと遠い先でいいのだと思う。

 

このような意識は、スポーツ(あるいはスポーツ以外でも)若いうちにに何かに打ち込もうとしたものの財産なのかもしれない。高槻フットボールを通して、OBの方、同じような世代の方と話することで、これらは共通の意識であるように思える。

 

勝っても負けても 、このように自分と向き合い、常にその後も自分の内なる声と闘っていく。この意味では、皆の高槻フットボールは卒業後も、一生続いていくのだと思う。

 

皆に幸あれと祈りたい。

 

 長い間、多くの皆様に高槻アメフトHPにご協力いただき、有難うございました。

 今後も皆様に高槻アメフトをご支援いただきますようお願いいたします。

 

怪我には十分気を付けて。最後に

 

高槻ファイト!

 

 

 


NEWS一覧に戻る